大室徹也は、広告写真を中心に活躍する傍ら、プライベートで全国を周り開発が進む町の風景を追っている。
都市開発で整備されようとしている所、またはされた場所。
「ニュー・コンポジション」と題された今回のシリーズは、何気ない人工物と自然が重なる風景に向けて切り取られた。
定規で測るような数学的な視線。1枚の構図の中に水平・垂直のグリッドが感覚的に引かれて、整然と規則的に収められている。ガイドラインは整然とし、ストイックに構図を磨くことに徹底している。すべての作品が4×5フィルムで撮影されていることからも、デジタルとは一線を画す。プリントは丁寧に焼かれ、写真そのものの完成度もさることながら、感情をコントロールして構図をより意識して独自性を追求してる。
大室のスタイルは、自然も人工物もより幾何学的フレームを印象づけて、ミニマル表現とドイツの現代写真の流れを見せるが、その気配は、明らかな日本的叙情性であることは面白い。
自然界には美しいと感じる比率が数多くある。フィボナッチ数列。
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「黄金比率」とも言われるこの比率は、よく知られているものにオウム貝の螺旋の構造やひまわりの種子の配列などがある。
自然界の美しさをを整然と支配していることから、ピラミッドや一般的なクレジットカードも、この「黄金比率」が用いられている。
大室の作品の中には、この黄金比率を数多く見つけることができる。ふだん見過ごしてしまう風景の中にも、構図の取り方ひとつで作品に命を吹き込みながら、必然の美がフレームの中に立ち上がる。
メインゾーンで展示されるのは、厳格なコンポジションを踏襲しているが、深みのある色彩も加わって写真本来の魅力を引き出している。後半セカンドゾーンではより規則性を強調する作品となり、平面的な細密画のように追い込んで静謐なものを醸し出す現代的な作品が展示される予定である。
エモンインク ディレクター 小松整司 |