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佐藤美沙紀展

 
 
 
写真の歴史が始まってまだ200年足らず。この間多くのアーティストによって様々な表現が試され、現在も試行錯誤を繰り返しながら新しい作品が次々と現代に生まれている。絵画や彫刻に比べて歴史こそ浅いが、可能性を無限に秘めた表現手法として写真への注目はいま高まる一方だ。
佐藤美沙紀氏は、そういった意味で現代的な感覚を持ち、興味深い作品を手がけるアーティスト。
東京造形大学・美術科絵画を経て、日本写真芸術専門学校を卒業。経歴からも伺えるように、写真を媒介させつつもその枠に捕らわれず、美術全般を俯瞰しながら独自の表現を追求しようとしている。
一見シンプルに見せながら実に複雑な行程が踏まれた佐藤の作品は、彫刻、撮影、プリント、ペインティングといったプロセスをすべて自らこなし、一瞬を切り取る写真でありながら完成に至まで実にたくさんの時間を費やしている。
日本的なモチーフや幾何学的なオブジェと、一筆一筆刺すように描かれる緻密な模様。
佐藤美沙紀の作品は、花言葉を具体化したものだと言う。
 

夢や無意識下でしか起こりえない世界。日常に隣接した意識や理性が介在できない不意に現れた現実。
そういった超現実的なものを写実的に描こうとするシュルレアリスム的な感性をベースにする反面、余白を活かした構図と緻密な作業によってその現実的な世界は中和されていく。ベールで包み込むような温かさ。
そのメッセージは、やさしくどこか懐かしい微細な振動をともなって、私たちに響き語りかけて来ることだろう。

 

 

2007年10月
エモンインク ディレクター 小松整司

 

 

 


佐藤美沙紀 Web site
www.misakifuji.com