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本当の真理そのものは、
初めに目に映る物ではなく、 奥深くに潜んでいるものなのかもしれない。

 
 
   2月に行われた展覧会パート1『John's Run』で、海沼武史は生きることの本質、そのきっかけそのものを「犬達」に発見し躍動感のあるモノクロ作品を発表した。今回は一見、がらりと趣向が変わったかのようにもとれる「氷の世界」に目を向ける。
土や水、木や草花たち、小さな微生物と人との関係...。「ひとつの祈りのような気持ちが、この作品には込められていると思う。」と語るように地上にあるすべての生命の均衡や調和の相互関係に近づいていく中で、大地へのオマージュ的意味合いを含んだシリーズである。
 氷の中に閉じこめられて静かに眠るさまざまな有機体。足元に拡がる自然ならではの豊かさを次々と見つけ出し、秩序と調和を満たすコスモスにも似た世界を描いて見せている。標題の「ファミリー・グラウンド」は、パウル・クレーの絵画「聖家族」がヒントとなり、「至上の地」の意味を込めてタイトルがつけられた。
 

 余白の間合いとグレイッシュな色調。そして、潔く切り取られた構図。距離を保って観る印象は静けさであるが、しかし近寄って見ると、とても複雑で美しく、そして優雅だ。パート1『John's Run』から、「氷の世界」へ。 海沼武史の詩性は、より自然の中へと入り込み、私たちが何気なく見過ごしているモノに注視して、一瞬煌めく瞬間を切り取り「美」へと昇華させていく。
 今展では、1000点を超える膨大なシリーズ作品の中から、抽象絵画の次元に近い感覚で描写されてた秀作30点を展示。


2006年2月
エモンインク ディレクター 小松整司

produced by EMON,Inc./ www.emoninc.com
coordinated by Epiphanyworks Ltd./ www.epiphanyworks.net
Takeshi Kainuma/ www.takeshi kainuma.com
協賛:キヤノン株式会社