EMON PHOTO GALLERY Exhibition Gallery Space Artist Contac&MAP News EMON,Inc
 

 
この目映い光の放射を解く鍵は、作品自身が何よりも語っている。
 
 
 

今年開催される海沼武史の4つのエキシビションの中で、もっともストイックな展覧会となるであろう『Alpha & Omega』。
このPART.3では、普段人々の視線を集めることとは無縁の雑草が被写体に選ばれている。
「BUSH」シリーズはモノクローム表現の出発点と位置づけられ、都会のあちこちに出現した雑草の情景の中に、海沼武史は「生」と「光」を捉えようとしていた。
「密やかに太陽の光を取り込む光合成の営みに生の歓びがある。」
感情や直感的な意志の痕跡を排除しているかのような、一見味気ない雑草。しかし、ひとつひとつ複雑に交差して連続するパターンを潔く捉え、淡い豊かなグレイスケールでまとめたフレーム全体からはどこか目映い光が放たれている。

 

 18世紀中期の絵画において、新印象派の特徴的な技法に点描画がある。新印象派の作品自体が輝いて見えるのは、その網膜上で混色する「視覚混合」の原理に由来することはよく知られている。この展覧会で紹介される一連の作品にも、無数に差し交わす草のパターンに、点描画と共通した原理が働いているのだろうと考えると光りの謎が少し明かされるようで興味深い。
 無機質に被写体を追い込んでいくほどに、草の生命力が際立つ。そして、その先にある無常観。
展示の後半では、「WINTER」のシリーズを織り交ぜ、「白い絶望」と本人が語るように何処にも特定されない場所。聖なる所へと、見る者を導いて行こうとしている。

2006年4月
エモンインク ディレクター 小松整司

produced by EMON,Inc./ www.emoninc.com
coordinated by Epiphanyworks Ltd./ www.epiphanyworks.net
Takeshi Kainuma/ www.takeshi kainuma.com
協賛:キヤノン株式会社