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9月、大橋仁のインスピレーションの源が、浮き彫りにされていく。
 
 
 

写真集『目の前のつづき』で鮮烈なデビューを印象づけた大橋仁。2005年春、写真集『いま』を発表し、衝撃的な出産シーンが話題となったことは記憶に新しい。
この度、大橋仁の東京における初の写真展が、今年9月いよいよ広尾で実現する。
「写真集とは違ったアプローチの展覧会をやる。」大橋はこのエキシビションに向けてそう言い切った。
写真集のエディットは高い評価を得ているが、彼にとってそのことがすべてではないだろう。つまり、彼の鋭い凝視力を通して切り取られた写真。その1枚のプリントに宿された密度や熱。“感性”という曖昧な言葉でカムフラージュされた写真がアートシーンに渦巻く中、まやかしなど真正面から切り捨ててしまえ、と言わんばかりの能動的な視線で静かだが、ギラっとしている。
ただストレートフォトと片付けてしまうことのできない独特のスタイル。それは感覚の深部に突き刺さって来るようで、大橋仁の魅力のひとつと言えるかもしれない。
「去年、福岡で展覧会やって手応え感じたんだよね。1枚1枚の存在が気持ちイイんだ」
見せてこそ写真。見てこそ写真。写真とはこういうものなのだろう。

 

 

デビューから8年。ひとつの節目ともなるこの展覧会では新作を交え、潔い構成となる筈だ。
何処に向かおうとしているのか。そして、何を企んでいるのか。自身の未来を指し示すところにも踏み込んで、写真家・大橋仁は新たな意欲を見せる。
エキシビションタイトルは『ラッキーか?』と来た。 自問自答か、または誰かに問うているのか、さもなくば...。
この標題の意味は、この広尾のギャラリーで、観る人の自由な解釈にゆだねられることだろう。

2006年6月
エモンインク ディレクター 小松整司

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大橋仁展 「ラッキーか?」に寄せて

大橋仁の実質的には初の個展ともいえる本展では、『目のまえのつづき』『いま』収載の作品はもとより、未発表作品、新作を交えて発表いたします。写真集としての構成や衝撃性を解かれたところで、ぶつかり合う森羅万象、その生と性のテンションが空間を貫きます。
なぜ写真か。写真を撮るという行為そのものを本質的に指し示す本展を、ぜひご高覧賜りますようお願い申し上げます。

姫野希美(赤々舎代表/青幻舎編集長)