2006年10月。笹山明日香のエキシビションは、写真展という枠を取り払い、インスターレーション的要素を盛り込んだ内容となりそうだ。
日常やその風景を、そのとき感じたままにシャッターを切る。肩の力を抜いてリラックスした感覚。等身大の清々しさは、笹山明日香のひとつのスタイルなのだろう。
笹山は、現在までにさまざまなシリーズを残し、個展という形でそれぞれ節目に作品を発表して来た。本展では今までの表現をよりインプロビゼーション的に、また感覚的に捉えようとしている。被写体は「空」だ。
50枚に及ぶプリントは、すべて7インチ程度の正方形のフレームに収められ、等間隔でギャラリーをぐるりと取り囲むように展示される予定だ。外光の差し込む具合や導線など、ギャラリーの特徴を活かしながら展示のシュミレーションをしていく笹山は、単に写真家として括るだけでなく、アーティストの横顔も覗かせる。
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本展「Blue」は、1点1点の写真に特別強いメッセージが込められているわけではない。一編のシリーズとして、空間と作品との間に生まれる間合いを含め、作品を見る人の感じるままに受けとめてほしいと、そう笹山は語る。
展示方法は、作品の本質が立ち上がるように計算されストイックなまでに贅肉を削いでいく。それらは静かに共鳴し合い、作品が放つ微細で透明な空気の振動がこの空間を満たしていくことだろう。
すみずみに行き渡るその見えない波動は、限られたスペースを無限の拡がりへと変えていく。
「Blue」という透明な空気の振動を、笹山明日香はこの秋、ここ広尾で響かせることになる。
2006年8月
エモンインク ディレクター 小松整司 |