EXHIBITION

2019

フィルム写真特有のトーンを持ち味にしてウイットに富んだ独創的な世界を作り上げている写真家・横浪修。ファッションやアドバタイジングで活躍する一方でプライベートワークでも数々のシリーズ制作に取り組み、中でも本シリーズ『Assemblyシリーズ』は海外のコレクターからも注目を集める人気のシリーズです。

2010年から始まった作品『Assembly』は、もともと集会の意味を持つ語。複数の少女達に同一のコスチュームを纏わせ、キャストをグループ化することで人物の「個性」を漂白するアプローチ。そして雪、山、海、森などの自然の中にキャストを連れ出し、自由に遊ばせ解放することで偶然が滑り込む一瞬を写真に捉えています。 作者があらかじめ計画した設定とは裏腹に、キャスト達の思わぬ動作や仕草を招き入れようとする横浪の遊び心。そんなユーモア精神は、抜けるような自然との対比が相まって独特な世界観をつくり出していいるのです。

特筆すべきは、以前までのグラフィカルな表現からドキュメンタリー性がより強調され、ストレートフォトに接近して行く変化が垣間見えること。作品『Assembly』は、計画性と偶然性、そうしたフォトグラフィーの可能性を追い求める横浪修の探究が伺える作品となっています。

3年ぶりとなる新作『AssemblyIII』をいち早くをご紹介致します。深化する作品をどうぞご覧ください。

Osamu Yokonami has created a unique humorous world with a soft tone of film photography. While playing an active part in fashion and advertising, he has worked on numerous projects in private. Exclusive works from “Assembly” that attracts attention from art collectors will be presented for the first time in three years.
 
The work “Assembly”, which began in 2010, was originally a word that meant a meeting. The individuality fades by putting the same costume on multiple girls and grouping the casts. By taking the group in nature such as snow, mountains, seas, forests, scenes, etc., he captures the moment when this accident happens by releasing and letting the group play freely. Contrary to the settings planned by the photographer, Yokonami's playfulness tries to capture the casts' unexpected actions and gestures. Such a spirit of humor in the nature location creates a unique worldview.
 
The work “Assembly” is a masterpiece of Osamu Yokonami, who continues to explore the possibilities of order, chance, and photography. Please look forward to the new work that has even been deepened with documentary features.

横浪修ステートメント

 

同じ服装をした集団を近くで見ると、それぞれの個性が見える。離れると個性が薄れ、グループとして一つの個性が浮き上がってくる。顔が見えないことで匿名性が浮き彫りにされる

 

そしてより一層、集団としてのグループが浮き上がる。寄ったり引いたりする事で、個と集団のひとかたまりを行ったり来たりする。きちんと並んで規則性を試みるが、全く同じにはならない

 

逆にその中に起こる予想出来ない、ハプニングや計算出来ないところに魅力を感じる。その中に個々が見え隠れしている

 

渡り鳥が隊列して飛ぶように魚が群れで泳ぐようにアリが並んで歩くように・・・。自然界にある整列性や偶然性生きているからこそ見ることのできる瞬間・・・。

 

自然の中ではより一層集団が引き立ってくる ゆらぎのような同じかたちになることは二度とない 日々一瞬一瞬が奇跡である そんなかけがえのない瞬間に立ち会いたいだけだ

 

思い通りにならないことをコントロールするのはとても難しい。けれどそれに抗うことなく想像を超える自分に僕は出会いたい。

横浪 修  Osamu Yokonami

1967  京都生まれ

1987  ビジュアルアーツ専門学校 大阪校

1989  文化出版局写真部

1990  中込一賀氏に師事

1994  独立。広告・雑誌等で活動

展示

2019  SNAPPP 新光三越  台湾にて大規模個展

2019  BOOK AND SONS 写真展「PRIMAL」

2018  IMA gallery 横浪修と川島小鳥「japonism」 2016  EMON 「Assembly & Assembly Snow」

 

写真集 「1000Children」「100Children」「Assembly」 「Sasayama」「Assembly snow」「Mizugi」 「PRIMAL」他

山口小夜子×横須賀功光 コラボ展

 

EMON Tokyo 2019.08.30fri → 11.02sat

​東京都港区南麻布5-11-12 B1F Open 11:00-19:00 sat-18:00 Closed sun,holidays

Togo Bldg. B1,  5-11-12 Minami-azabu, Minato-ku, Tokyo JAPAN

この度エモン・フォトギャラリーは、『山口小夜子×横須賀功光コラボ展』と題して展覧会を開催する運びとなりました。本展は、言わずと知れた日本を代表するモデル・山口小夜子と、その世界観を支えて名コンビを誇った写真家・横須賀功光の共同作品を集めて展覧するものです。

 

山口小夜子は横浜生まれ。23才でアジア人で初めてパリコレのランウェイに立って脚光を浴び、米雑誌ニューズウィークの「世界の6人のトップモデル」に選ばれた世界的ファッションモデル。73年に資生堂との専属契約を交わし、それがきっかけとなって小夜子と横須賀は出会います。資生堂のシンボルとしてセルジュ・ルタンスらと共に広告史に残る名作品を多数発表。アドバタイジングを起点としながらその枠を越え、ファッションフォト、シリアスフォトを先駆していきました。

服飾を様々な角度から再解釈したウェアリスト・山口小夜子。そしてその表現には、写真家・横須賀功光は欠くことができない存在だったのです。 小夜子は同じ横浜で生まれ育った横須賀について、このような言葉を残しています。『横須賀さんはつねに空間に漂う「気配」を求めていたように思います。山口小夜子という存在がふっと消えて、光と影のなかで余韻だけが残るような瞬間、その時にシャッターを切る音がしました。被写体の裏側にあるものを、ずっと追っていたのだろうと思います。』(「光と鬼・横須賀功光の写真魔術」より)

本展は、『小夜子』(1984)、『月 小夜子・山海塾』(1986年)、また『ヴォーグ』イタリア版(1979)、『流行通信』(1981)に掲載されたフォトセッション他、ソラリゼーションビンテージプリントを交えて展覧。また小夜子の身体を石膏で写し取った横須賀ディレクションによる彫刻作品も展示致します。 ひとりの写真家が見つめ続けた小夜子というミューズ。そして生涯をかけて心眼を冷徹に磨き、美の探求に挑んだ山口小夜子と横須賀巧光の軌跡の一端をご覧いただきます。

 

協力:株式会社オフィスマイティー / Design Office ABC

                                                                                                                                                               

山口 小夜子 Sayoko Yamaguchi 横浜生まれ。

日本のファッションモデル、ファッシ ョンデザイナー、ウェアリスト。 パリコレクションに出演するなど世界的に活躍 し、1977年にはアメリカのニューズウィーク誌の 「世界の6人のトップモデル」の1人に選出。舞台、 映画などで数々の作品を残した後、晩年は「ウェ アリスト(着る人)」と名乗る。ファッションだけで なく、ダンス/舞、音楽、映像、文学など諸芸術が 交差する表現を展開した。2007年8月14日に急 性肺炎のため死去。 2015年、東京都現代美術館にて「山口小夜子 未 来を着る人」が開催され話題を呼んだ。

横須賀功光 Noriaki Yokosuka(1937-2003)

横 浜 生 ま れ 、日 大 芸 術 学 部 写 真 学 卒 。学 生 時 代 に資生堂の仕事を手掛けて頭角を現し、卒業後 はフリーとして活躍。資生堂のポスターは次々と 反響を呼んで瞬く間に広告写真の金字塔とな り、その後も飛ぶ鳥を落とす勢いでファッション フォトを先駆した。「俺がはじめて嫉妬した写真 家だった」と当時電通にいた荒木経惟が言うよ うに誰も真似ができない写真を撮る早熟の天才 だった。70年後半以降の山口小夜子と山海塾の コラボ作品、また三宅一生のブランドに携わっ た作品群は伝説となり、ドイツ、イタリアン、フレ ンチヴォーグの最初の日本人カメラマンとして、 活躍の場を世界に拡げる。

580mm×820mm(each) ラムダプリント

2019.07.19fri → 08.09fri

「拘 束」と「反 抗」という二つの状態に含まれる力は 、

相反しながら同じものであったりする。


私はその存在 と落差を写真を通して捕捉する。

人間とモノの境界や、

文化の相違を超える「自然」と「現代性」が

交差するところを彷徨いながら。

金髪に染め、黒く焼いてしまったのは、

現在惰性に逆らいたくなった、

誰でもあり得たのではないか。 

EMON AWARDは、写真・映像の新たな支流を創りだそうとするアーティストにフォーカスする公募展。第8回の募集では個性的な作品が多数寄せられました。ファイナリスト8名による公開プレゼンテーションと審査の結果、第8回グランプリは、中国国籍を持つアーティスト、リリー・シュウの作品が受賞。作家リリーは統制社会の束縛と自由の狭間を振り子のように往来し、日常の風景でありながら微細な振動を放つ独特な世界観を作品に宿しました。このエキシビションに向けて撮り下ろした新作を交え、完成度を高めた力作が展覧されます。どうぞご高覧ください。  

600mm×1000mm ラムダプリント

第8回審査員

LILY SHU (リリー・シュウ)

1988年中国哈爾濱市出身。エセックス大学で崇高論を研究した後、ケント大学のArt History and Philosophy専攻にて修士号を取得。東京藝術大学大学院修了。

受賞歴:第7回TOKYO FRONTLINE Photo Award審査員賞(2017)、第18回写真「1_WALL」ファイナルリスト(2018)、第33回東川町国際写真フェスティバル赤レンガ公開ポートフォリオオーディショングランプリ(2017)、第8回エモンフォトアワードグランプリ(2019) 国内外展示歴多数。

飯沢耕太郎 写真評論家

河内 タカ  便利堂 海外事業部 ディレクター

木村絵理子 横浜美術館主任学芸員

鈴木 芳雄 編集者/美術ジャーナリスト

山口 裕美 アートプロデューサー

小松 整司 EMON Photo Gallery ディレクター 

430mm×320mm ラムダプリント

370mm×247mm ラムダプリント

210mm×318mm ラムダプリント

EMON Tokyo 2019.06.14fri → 07.13sat

Reception/レセプション 06.14fri 18:00〜20:00  アーティストトーク18:00〜

Open 11:00-19:00 sat-18:00 Closed sun,holidays

写真誕生から180年。世界には実にユニークなアーティストが存在します。ある考えを別の表現に置き換えたり、イメージの精製を繰り返して別の可能性を探してみるといった風に。

例えば、光を印画紙に当てて偶然性を取り入れる手法(崇高な種類の遊び)など、「実験的な写真」の先駆けと言えば真っ先にマン・レイ(1890-1976)名が挙がります。そしてその系譜を持つアーティストには、ギャリー=ファビアンミラー、トーマス・ルフ、横須賀功光など、レンズを装着せずにカメラ本体だけを使ったり、印画紙を直接感光させるフォトグラムという手法やコラージュなど、表現が一気に多様化していったのが近現代の写真。そしてデジタルが主流になったいまでは、それによって善くも悪くも人の感覚や手仕事の痕跡は洗い落とされ、逆に優れた再現性ゆえに写真はクールな方向へと向かっているかも知れません。

 

藤原更の場合、撮った写真を一旦データに置き換えると、最先端のピグメントプリントを駆使して出力しています。そのプリントの表面を大胆にも剥離させ、版画のように像を移し取る。この一見合理性を欠くように見える複雑な工程では、予想外の現象や偶然性が滑り込むことに。これらは藤原更のイメージの根幹である「記憶との対話」のための重要なプロセスになっているようです。

前作『Neuma』(2012年)で「蓮」をテーマにし、その3年後の作品『La vie en rose』(2015年)では「薔薇」に迫ります。そして新作『Melting Petals』は「芥子」を取り上げ、それぞれ違った植物を対象としながら、その表現には流れるような変化が見て取れます。

写真は、過去と現在を繋ぐ接点を見つける行為でしょう。藤原はストレートフォトの技術を会得しながら敢えてそれを壊し、全く新しい自分に出会おうとします。そしてその変化とは、既成概念ではない、想定を裏切るものを招き入れること。そして死にゆく細胞を浄化するように繰り返し再生を試みることでもあるでしょう。 この10年間で藤原は、先人達がオリジナルのスタイルを追求したように「写真とは何か?」を自己に問い、その世界観を深化させて来ました。タイトルの「溶けゆく芥子の花」は、そうした陰と陽を花になぞらえてつくり出した、まさに藤原更自身のポートレートと言えるのです。

この花を初めて撮影したのは、個展のためにフランスに長期滞在 していた時のことだった。長年の友人でもあるフランス人彫刻家夫婦の 「秘密の花園へつれてゆくよ」といういたずらめいた誘いにのり、 いったい どれほどの時間を車に揺られただろう。

 

到着した先には赤い無数の花が風にゆれ、まるで手招きをしているようだった。 私は花に促されるままにドアをあけ、踏み出した。

 

「coquelicot : poppy : ヒナゲシ : ケシ」は洋の東西を問わず、様々な 意味合いを持つ花。ボードレールをはじめとする芸術家たちだけでなく、 様々な人々を魅了する花でもある。

 

その花を少し離れたところから見た時の印象は、”可憐"  であった。 しかし、その中へ踏み込んでゆくと、第一印象は消え去り、無心に シャッターを押し続けさせる 強い魅力をもつ花に変わっていった。 その色、その花びらのテクスチャー、その花と茎のバランスからくるムーブメント、 そのソバージュな匂い.....

 

シリーズ "Melting Petals" は被写体を写し撮るだけでなく、 その写真を手がかりに、あの時あの場所で私の感覚で掴みとったものを 可視化することを試みた。今回はデジタルでの合成や、ペインティング、 記憶の層を積み重ねるコラージュ作業は行わず、撮影時に決定した画像を 可能な限り大切にしながらプリントに時間をかけ、あの時掴みとれなかった部分 はあえて手作業で剥離し、曖昧な部分は曖昧なまま制作した。  

 

あの日彼らは私を秘密の花園へ連れていってくれた。 "Melting Petals" は、あなたをどこへ連れてゆくのだろう。

                                                                                                                                                    

Major Exhibitions and Fairs

2019  "Melting petals" EMON PHOTO GALLERY(Japan)

2019  Venice International Art Fair (Italy)

2016  "Insights-New Approches to Photography Since

    2000" Photo Shanghai (China)

2015  "La vie en rose"  EMON PHOTO GALLERY (Japan)

2015  SCOPE NEW YORK (U.S.A)

2014  Festival PHOTO FOLIES (France) Invited Artist

2014  "La vie en rose" L'Atelier Blanc (France)

2014  "Melting petals" Plug Factory Seoul (Korea)

2013  FOTOFEVER Paris  (France)

2013  FOTOFEVER Bruxelles (Belgium)

2012  "Neuma" EMON PHOTO GALLERY (Japan)

2010  "FLOW" Maison du Chevalier (France)

and more

Collections

THE YAMAZAKI MAZAK MUSEUM OF ART

Kiyosato Museum of Photographic Arts (KMOPA)

180 years have passed since the birth of photography and yet there are truly unique artists around the world. They replace one idea with another media or repeat the refinement of an image to seek new other possibilities.
For example, artist Man Ray (1890-1976) is one of the first to challenge "experimental photography", such as a technique that exposes light to photographic paper to visualize a happenstance moment which is a sublime type of playing. Artists of this genealogy, such as Gary Fabian Miller, Thomas Ruff, Noriaki Yokosuka, used only the camera body without the lens, to produce images in photogram technique and collage that directly exposes the photographic paper. Modern and contemporary photographs have diversified their ways of expressions and recently in our contemporary, digital approaches became mainstream. Good or bad it will wash away traces of human senses and handwork. In our era, photography may be heading in a "cool" direction because of the excellent reproducibility in digital technique.

In the case of Sarah Fujiwara, photos are replaced in data and next they are printed using the most qualified pigment print. The surface of the print is peeled off dynamically and the image is transferred to another paper like a process of copper or wood print. In this unlogic complex process, unexpected phenomena, and accidentals slip into the image. This process seems to be mattering processes for her "dialogue with memory" which is the basic concept of Sarah Fujiwara's work.
Fujiwara’s primary work features aspects of the lotus in “Neuma” 2012, and three years later the rose in “La vie en rose”2015.  New work "Melting Petals" is focused on the poppy flower. Throughout her career, she approaches different plants, and we can recognize the flowing changes in her ways of creation.

Photography is the act of finding connections in the past and the present. While innovating the technology of straight photography, Fujiwara breaks her method and tries to change himself completely new. The change is to reveal something that is not a prepared concept. It is also an attempt to clean up dead cells. In the past 10 years, Fujiwara has asked herself "What is photography?" to deepen her view of the world just as the old masters pursued their original style. The title "Melting Petals" can be said to be a portrait of the photographer herself, who expressed Yin and Yang in a flower.

Statement                                                          

 

The first time I photographed this flower was when I was staying in France for an exhibition. My old friends who were a married couple and both sculptors invited me out of pure mischief saying, “We’ll take you to a secret garden.” I accepted their offer, and how long was I in their car heading towards the place.

 

When we arrived, countless red flowers were waving in the wind, just as if they were beckoning. I couldn’t wait to step out of the car.

 

Coquelicot, a poppy, is a flower which has several meanings whether in a western or eastern context. Not only for artists like Baudelaire、this flower attracts a diverse number of people.

 

Seen from a distance, the blossoms are sweet. But once I step inside, the first impression disappears, and I suddenly notice myself absorbed in pressing the shutter; realizing the glamour of the flower. The colors, the texture of the petals, the movement which comes from the balance of the stem and flower, and the Sauvage fragrance.

 

The series, “Melting Petals” is an attempt to evoke in photo a re-visualization of the feelings of that time and location. This time, I didn’t use digital composite, painting, or any collage to rebuild layers of memory. I gave priority to the image’s first shot at that moment and then took time in the printing. Fragments accidentally peeled off just like aspects of my memory. I have left the blurs ambiguous, as it truly was.

 

They took me to the secret garden. I wonder where “Melting Petals” will take you.


​マリーパッサ / Marie Passa

建築と光

Period:2019/05/10 fri - 06/08 sat

建築と交わった6人の写真家達。

マリー・パッサ   木村尚樹   宮原夢画   GENTAROABE 鈴木悠生  川口聡太

この度エモン・フォトギャラリーでは、『建築と光』と題して6名の写真家の作品を集めて展覧会展を開催致します。それぞれの写真家が様々な様式の近現代建築のフォルムに眼差しを向け、その光を取り込む構造から表れ出た美のコンポジションをご覧いただくグループ展です。

 

フランスの女性写真家のマリー・パッサは、ル・コルビュジェやルイス・バラガンの建築に着目します。自然の光によって乱反射するプリズムのような色彩を哲学的思考と重ね合わせた代表作を展覧。マリーは斬新な視点で名の知れた建築を詩的に捉え直し、説明的な演出を避けて写真の限界を押し広げようとしています。

木村尚樹は、米国大学院でイタリア・ルネッサンス期を中心とした美学美術史を専攻、修了しました。代表作『凪』は、歴史の重みを染み込ませたヨーロッパの建築物や彫刻に眼差しを向け、光と影の偶然が作り出す静謐な時間をフィルムに定着させます。厳格でありながらエレガントな印象を残す木村の写真は、日本の精神性に通ずる「潔さ」によって貫かれています。

宮原夢画は日本の伝統建築で最も象徴的な床の間に着目します。本来、掛け軸や活花を飾る床の間をステージに見立て、大胆な発想でシュールなオブジェは配置した作品。用途不明な三角錐、吊るされた繭のようなもの、または黒い涙のような「何か」。宮原のイマジネーションは異化され眩暈する光景をつくり出し、それらは日本建築のミニマムな空間の中で、陰影を含んだ柔らかな光によって包まれています。

そして三人の新進作家のご紹介として、60年代以降につくられた近代建築に眼差しを向けた鈴木悠生。そして人の気配を思わせる光と影に着目したGENTAROABE。そして建築を学び、写真家として創作活動を行っている川口聡太、3名の作品を交えて展覧致します。

 

建築家・坂茂氏が設計したエモン・フォトギャラリーの展示空間にも春の柔らかな光が差し込んでいます。是非ご高覧くださいますようご案内申し上げます。

Architecture and Light

Period:2019/05/10 fri - 06/08 sat

Marie Passa, Naoki Kimura, Muga Miyahara, GENTAROABE,
Yu Suzuki, Sohta Kawaguchi

EMON Photo Gallery is proud to present a group exhibition entitled "Architecture and Light" by six photographers which focus on modern and contemporary architecture. Their work captures the beauty of the composition of light which shines into the structures of the buildings.

France based female photographer, Marie Passa photographs the architecture and interior of Le Corbusier and Luis Barragán. We present her major work, “Wittgenstein” which layers philosophical thoughts on reflective prismatic color in the natural light and the buildings. She offers us an unexpected view, reinvented and poetic and escapes from the descriptive rendition to push the limits of photography.
Naoki Kimura completed a Master’s Degree in art history with the emphasis on Renaissance art at a graduate school. In "Nagi", Kimura’s gaze is trained on sculptures and architecture infused with history, capturing light and shadow which imbues an aspect of calm silent time. Although the photographs are made strict, Kimura’s work gives an elegant impression and in this character, his photographs have a Japanese spirit of decisiveness in the core.
Muga Miyahara focuses on the most symbolic place in traditional Japanese architecture. A ‘tokonoma’, usually a space for hanging scrolls and flowers for guests is now a stage to present daring ideas such as Surrealistic objects which are trigonal pyramids with unknown purposes, a cocoon-like something which hangs from the ceiling or an object which appears like a black tear. The imagination of Miyahara creates a scenery dizzy and dissimilated but yet we realize all scenes are presented in a Japanese minimum space in soft light and shadow.

And as an introduction to the three emerging artists, Yu Suzuki turned his eyes to the modern architecture created after the '60s. And GENTAROABE which paid attention to light and shadow reminiscent of the sign of the person. Then Sota Kawaguchi who studied architecture displays his photographic works.

The soft light of spring is also shining in the exhibition space of Emon Photo Gallery designed by architect Shigeru Ban. We would like to invite one and all to experience the show.
 

木村尚樹 / Naoki Kimura

宮原夢画 / Muga Miyahara

​鈴木悠生 / Yu Suzuki

GENTAROABE

​川口聡太 / Sohta Kawaguchi

EMON Tokyo 2019.04.02tue → 04.27sat

Reception/レセプション 4.05fri 18:00〜20:00

Open 11:00-19:00 sat-18:00 Closed sun,holidays

It's almost dawn. I was climbing the mountain path, running out of breath. 

The scenery changes from black darkness to deep blue. I was surrounded in the chirping of small birds. The sun rises and the appearance of the cherry blossoms change. The morning view of the blossoms blends with my distant childhood dreams and it looked like the Milky Way.

                                                                                                                     Kiiro

This Spring, for the first time in two years, EMON is proud to present an exhibition by photo-collage artist Kiiro. For this exhibition we gather together works by artist Kanako Kitabayashi to present aspects of “déjàvu” which both share in their core of artistic expression.

Since 2009, Kiiro has relentlessly pursued the potential of the photograph with a body of work focusing on the cosmos flower. Layering, carving away, combining and dividing images to create his unique photo-collages, Kiiro’s profoundly pictorial approach has gained depth with the passing years, and his recent photographs begin to take on the unmistakable aesthetics of traditional Japanese painting. 

For this exhibition, compared to the series before, which had a vision of life and death, Kiiro’s latest Sakura series are imbued with somehow a nostalgic aspect and re-constructs a sakura seen in memory, using the image of a sakura seen in the light of dawn.15 pieces will be exclusively presented in this exhibition.

Kanako Kitabayashi is an emerging artist graduated from M.F.A. in Sculpture, in Tokyo University of the Arts. So for she has attracted attention in several exhibitions including the solo exhibition at Contemporary Art Gallery, Art Tower Mito in 2018. Mainly as a core, specialized in using ceramic, she lays over several material and creates extra-ordinary objects through her flexible artistic sensibility.

The artwork appears as if it is close to nature, but never seen before. Then we realize miraculously the object is somehow a “déjàvu” of something, some place or time seen before.

 

Indigo blue, faint pink—this work is imbued with complex hues that belie an artist fixed on a subtle, fleeting something that spills from one’s hand like water even as one tries to grasp and savior it. It might it is a process of uncovering and making visible the poetry concealed within all of nature.

                                                                                                                 EMON Photo Gallery, Director Seiji Komatsu

 

もうすぐ夜明けの時刻。息を切らせて山道を登る。

暗闇から蒼色へと景色は変わり、小鳥の鳴き声で包まれる。

日の出と共に、うつろいゆく桜の姿。朝露の桜の風景は遠い幼いころの夢と混じり合い、

それはまるで天の川のように思えた。

                                                                                                      Kiiro

この春EMONでは、フォトコラージュアーティスト・Kiiroの2年ぶりの新作展を開催する運びとなりました。今回は造形作家・北林加奈子をゲストアーティストに迎え、両者の表現の核となる既視感をテーマに平面作品と立体作品が交差する展覧会です。

Kiiroは、2009年から一貫してコスモスの花をモチーフに写真表現の可能性を追求してきました。イメージを足しては引き、重ねては削る、そうしたkiiro独特のフォトコラージュは、年を追うごとに絵画的アプローチを深化させてきました。今展は2016年から取り組んでいる桜シリーズの第二弾となり、間や余白を意識した構図に日本画を思わせる変化が伺えます。前作で死生観を表したのに対し、今回は子供の頃の記憶、あるいはかつて見た桜の既視を呼び醒す作品15点が並びます。

そして造形作家・北林加奈子は、2018東京藝術大学大学院の彫刻専攻を修了し、昨年水戸芸術館で個展を開催するなど注目を集める新進のアーティスト。陶芸を主にさまざまな素材を重ね合わせ、しなやかな感性で独創的なオブジェをつくり出しています。それらは自然界にありそうでないもの、しかしかつて見たことがある事象を思い起こさせる既視感のある物へと形を変えて表されています。

 

淡いベージュから群青色まで、そうした複雑な色彩を滲ませた二次元と三次元の作品群。これらは、すくおうとしても手の平からするすると流れ落ちてしまう水をのように儚いものに意識を向ける眼差しの表れであり、自然の至る所に封印された「詩」を見つけ、可視化していく作業かも知れません。

                   

                                                                                                    エモン・フォトギャラリー ディレクター小松整司

Kiiro

Kanako Kitabayahsi

Kiiro (キイロ)

1978神奈川県出身。

明星大学油絵科卒業

Art Fair

2013.TokyoPhoto (tokyo)

2013.fotofever (Belgium)

2014.Daegu Phoyo Biennale

2014.fotofever (Paris)

2015.fotofever (Paris)

2016.Festival La Gacilly Photo(France)

2016.Photo Shanghai(Shanghai)

2017.KYOTOGRAPIE KG+ (kyoto)

2018.Art Fair Tokyo (tokyo)

Award

2010.SCAT横浜赤レンガ倉庫 赤レンガ賞  2013.International Fine Art Photography Award実験部門審査員賞(France)

2014.International Photography Award コラージュ部門3位(Los Angeles)

2014.Le photobookfest BEST30(France)

 

statement

私は長い間コスモスの花に着目して創作活動をしてきました。夏の終わりごろから群生をなして咲くこの花は、可憐でありながらどこか懐かしさを想い起こさせます。

複雑に差し交わす茎や蕾み。それはコスモスの原義である秩序・調和・美といった宇宙的な広がりを感じさせる一方で、限りある命の無常観をこの花に感じています。

 

コスモスの別名は秋桜。そして私は日本の象徴とも言える「桜」へと対象を広げていったことは必然だったかもしれません。桜は隆起した幹は天に昇る龍のように見えることもあれば、枝の狭間でこぼれるように咲く姿や散っていく様子は、静と動が瞬くような宇宙のように感じられます。

 

私は撮りためた写真を何層ものレイヤーに分解し、塗り重ねては削るといった絵画の技法を用います。コスモスの花も、桜の花にも、秘められた美しさを視覚的に導いていこうと試みます。 しかしそれは、鑑賞者のイマジネーションが百人百通りのストーリーが生まれる能のように、言葉では表しきれないものでもあるのです。

北林加奈子 (きたばやし かなこ)

1990東京都出身 ​

2016多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻卒業

​2018東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了

ArtFair

2017,Affordable Art Fair (Stockholm)

2017,FIAC2017 Grand Palais(Paris)

Award

2013,次世代工芸展入選

2017,2074夢の世界アワードグランプリ

2018,平成29年度台東区長奨励賞受賞

2018,アートアワードトーキョー丸の内

2018入選 ​

Artist in Residence

2017.09~10 Yoshio Nakajima Art Center & Raus stoneware factory(Sweden)

 

statement

日常の風景の中にふと、“何か”を見つけ理由もわからないうちに、美しさやおかしさを感じることがあります

 

それは、ほんとうに些細なことでいつもそこにあるのに、ふだんは気にもとめていないようなことかもしれません。そして、とても儚く気づいたとしても、放っておくと次の瞬間には忘れてしまうようなことかもしれません

 

それでも記憶のどこかにそれは引っかかっていて何かの拍子にふわっと、デジャヴのように頭のどこかに浮かび上がります

 

その“何か”を分析してみると 偶然見つけた自然の現象だったり、物理の法則だったり人の痕跡だったり、さまざまです

 

しかし、的確に説明するのはとても難しく言葉にした瞬間、泡のように消えてしまう時もあります

 

私はそういった、風景の中や視界の片隅に、儚いけれど確かにある光景を私なりの視点でとらえ、抽出し、質感や形、現象の関わり合いを利用して可視化したいと思います

 

そして、誰かの記憶の中の風景を、誘い出すことができないだろうかとたくらんでいます

Pairing FUKUSHIMA 

Uma Kinoshita × Ryuichi Yahagi

写真家と造形作家による二人展

EMON Tokyo 2019.03.01fri → 03.30sat

​東京都港区南麻布5-11-12 B1F Open 11:00-19:00 sat-18:00 Closed sun,holidays

レセプション/Reception 3.01fri 18:00〜20:00

Togo Bldg. B1,  5-11-12 Minami-azabu, Minato-ku, Tokyo JAPAN

KG+ Kyoto 2019.04.30tue → 05.12sun

ギャラリーマロニエ5F Open 12:00-19:00 sun-18:00 Closed mondays

〒604-8027 京都市中京区河原町通四条上る塩屋町332 TEL:075-221-0117

GALLERY MARONIE 5F 332 Shioya-cho, Shijo-agaru, Kawara-machi Dori, Chuo-ku Kyoto TEL:075-221-0117

この春EMONでは、写真家・Uma Kinoshitaと、美術家・矢作隆一による二人展を開催する運びとなりました。それぞれ異なる分野で活動する二人のアーティストは、時間を経たその痕跡に触れるように、2011年に起こった東日本大震災とそれに伴う福島第一原発を題材に作品を制作しています。本展『pairing FUKUSHIMA』はこの二人の創作活動に着目し、アーティストの視点から見えてくる福島の過去、現在、そして未来への想いを写真と彫刻を通じて交差させるものです。

Umaは震災から3年経った福島を訪れ、その時に見た光景を厳格なコンポジションでモノクロフィルムに記録します。そして福島に千年続く手漉き和紙を使ってゼラチンシルバープリントを焼き上げ、テキストを織り交ぜた14組の作品が並びます。対して矢作の彫刻は、一見なんの変哲もない石のようで、実は石のフォルムを忠実に削り出す「模石」(もせき)をギャラリー中央に展覧。採取した石は波江町と富岡町で見つけた石であり、それとそっくりに削る石は、メキシコ唯一の原発の付近で採取した石が選ばれました。

 

この二人展はいくつもの「対」を構成しています。対話するように紡がれたUmaのテキスト。掌であたためるように石を削った矢作の模石。このエキシビションは、反原発の立場で論ずるものではなく、原発事故を引き起こした私たち世代の責任と捉え、時が経っても尚立ち止まり、考える機会をつくろうとするエキシビションです。海を越えて交わる写真家と美術家の想いをどうぞご高覧くださいますようよろしくお願い申し上げます。

本作品は東京・広尾で展覧会を行った後、京都国際写真祭2019KG+に巡回。会場を京都に移して二人展開催を予定。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                           EMONディレクター 小松整司

 

This spring, EMON will hold an exhibition with photographer, Uma Kinoshita and artist Ryuichi Yahagi. Although the two are based in different art genres, the two work on projects which focuses on the remain effects of the Great East Japan Earthquake and the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant incident. This collaboration exhibition entitled “pairing FUKUSHIMA” will present their body of work which shows documentary photography and stone sculptures. Through this collaboration, thoughts towards the past, present and future on Fukushima will cross over.

Uma visits Fukushima three years after the disaster, and she photographs landscapes within a strict composition through monochrome film. In this exhibition, 14 pairs of photographs and texts will be printed in gelatin silver technique on hand-screened paper which has a history of over 1000 years made in Fukushima prefecture. In comparison Yahagi’s “Moseki” which are stone sculptures actually curved by hand to copy a stone which was originally made by nature will be presented in the center of the gallery. The original stone was picked in Namie-cho and Tomioka-cho in Fukushima and the copy was curved with a stone picked up close to the only nuclear plant in Mexico.

Several ‘pairs’ could be seen within the exhibition. Texts by Uma are a dialogue and sculptures by Yahagi are curved as if to warm up the stone in his palms. Prays and thoughts of the two artists living beyond the sea shall interact. The exhibition is not a message for standing against nuclear power energy, but is aimed to re-think the responsibilities of our generation for the future, whether time has passed after the disaster. The exhibition will be first shown in Tokyo Hiroo and then will travel to Kyoto as a participating program of KG+, Kyotographie International Photo Festival 2019.

EMON Director, Seiji Komatsu 

Uma Kinoshita

 

写真家。兵庫県生まれ。東京在住。

独学で写真を学ぶ、インディペンデントに活動中。

2015年より和綴じの手法により写真集を制作。

※手漉き和紙で制作されたオリジナルプリントを限定にて販売致します。

Uma Kinoshita

 

Self-taught photographer.

Born in Hyogo prefecture. Based in Tokyo. From 2015, she has been producing hand bind classic Japan style photo books.

Original prints on traditional hand screen paper will be available in an limited edition of 3.

矢作隆一

 

メキシコ在住。美術家。1967年川崎市生まれ。

1987年大阪あべの辻調理師専門学校卒業後、調理師を目指すも、金沢美術工芸大学へ入学。1995年同大学美術学科彫刻専卒業。同年秋に渡墨し、メキシコと日本を中心に個展、グループ展、ワークショップ等を行っている。

Ryuichi Yahagi

Based in Mexico. Artist. Born in 1967, Kawasaki prefecture Graduated from the Kanazawa College of Art, department of sculpture in 1995. After graduation, moves to Mexico. Holds several solo, group shows and workshops.

In Silence and In Sorrow 制作について

東日本大震災以降、私はたびたび福島を訪れました。ただ時間が過ぎているだけの場所で、あるいは、これまでに見たことのない対応が躍起になって行われている傍で、残されたものはしんと佇んでいました。そのような中でじっとしていると、風に混じって、誰の、とも、何の、ともつかない声が突き抜けた切なさで胸に迫ってきました。なすすべのない私は時折、頷くようにシャッターを切りました。
こうして撮った写真は、通常の手法でプリントしても、ただの風景がつるんと写っているようにしか見えませんでした。試行錯誤の末、私は福島の和紙を使うという考えに至りました。土地の紙であれば、この手をはるかに超える力で、受けとめきれなかった思いまで、そのまま引き継いでくれるのではないだろうか。望んだことは、自分の存在を消し、伝達者として、それぞれの場所に堆積していた思いを伝えることでした。
やがて私は福島で千年以上の歴史を持ち、今も伝統的な手法で手漉きされている上川崎和紙に出会いました。こうして始めた試みは期待以上の効果をもたらし、同じネガでも、プリントするたびに異なる表情を見せてくれました。あの時、あの場所の空気がふわっと立ち上るようでもありました。
どうか、この展示でも、表層をこえて伝わるものがあることを願っています。突き抜けた切なさが皆さまのこころにそっと届きますように。

 

 

 

 

Regarding “In Silence and In Sorrow”

After the Great East Japan Earthquake, I constantly visited Fukushima. In that location where time just passed by, people were busy working around to handle the massive disaster. Besides that, the remains of the land stood quiet and calm. To stand in that place, I felt a breaking through sorrow within the wind which was a voice from somebody and from some were. The only thing I could do is to press the shutter of my camera thus to nod towards this sorrow. These photographs were printed at first on general paper, but I realized that the landscapes appeared too smoothly in the prints. After a couple of examinations, I decided to print the photographs on Japanese traditional hand-screened paper produced in Fukushima, I thought this special paper might hold on and express those thoughts I couldn’t  bear by myself. As a conveyor, I wanted to be invisible, I just had to deliver those feelings falling on and piled on each land.

Later I found out this hand-screened paper, "Kamikawasaki-washi" which had a history of over 1000 years in Fukushima Prefecture. The print results were more than I had expected. Every time I printed, I got different results with a kind of improvisational nature. It seems as if the atmosphere of the land revealed through the prints.

I hope there is something beyond the surface that reaches the viewer. I hope this heart breaking sorrow will gently reach your heart.

「模石」 いしから学ぶこと

 

大地から引き裂かれた荒々しい石は、想像するに長い時間をかけて川を流れ、海へと向かう。その途中で砕けて消えていく石もあれば、同じ場所に留まり続ける石もあるだろう。無数の石は無数の石と出会い、ぶつかり合い、水流に揉まれながら先へ先へと進んでいく。そしてなんとか海までたどり着くことができた石はすっかり角が取れ、水に濡れてにぶく輝く。浜に転がる石を眺めていると目を閉じて静かに息をしているようにも見える。大海を前にした石はいったい何を思うのだろうか。
気付くと石は私達の身直にあり、昔から道具として使われることもあれば、信仰の対象として祭られることもある。色や形に特徴のある石は重宝されたりもする。石には人を引きつける力があるのだろう。私は河原や海岸に石を拾いに行くのだが、みな同じように見える石も、一つ一つ手に取ってみると、じつに表情が豊かであり、一つとして同じ形の石を見つけることは出来ない。拾う場所によっても形・色・模様・重さ・肌触りが違うことがよく分かる。福島第一原発事故後、日本国内全ての原子力発電所の周辺を訪ねて石を求めて歩いた。今回はその中の浪江町と富岡町の海岸で拾った石を模刻した。
「模石」することは、人の一生とは比べることの出来ないくらい気の遠くなるような間、大地と共にあった石と出会い、それをよく観察することであり、そこから色々なことを想像することである。その結果、同じ大地に立つ自己自身に向き合うことになるような気がする。おそらく私は石を彫ることにより石から色々なことを学んでいるのだと思う。 

I Learn from the Stones, “Moseki”.

 

Imagine a rough stone torn away from the earth. Through a long period, the stone is washed in the river and heads towards the sea. Some stones crash away and disappear, and some stay stuck in a particular place. Countless numbers of stones interact and clash with each other and they go further within the flow. When the stone reaches the sea, the rough texture is smoothened through this long journey, it is wet with a numb glow. When I see a stone on the shores, I even feel it quietly breathing with their eyes closed. Image what a stone might think in front of the huge ocean.

We notice that stones are always close to our lives、some are used as tools from ancient times and some are believed in a ritual reason. Some are admired by their unique color or shape. I guess a stone has a power that attracts people. I walk by the shore or river and pick up pieces of stone. Whether at first, they appear quite similar, I recognize each stone has its own expression, and you can’t find exactly the same stone. Depending on the location, form, color, pattern, weight, and texture are all different.

After the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant incident, I visited places close to nuclear power stations that restarted in Japan. I chose some stones which I picked up at the seasides of Namie –Cho and Tomioka- Cho in Fukushima and I copied and curved out its form with another stone.

To copy a stone is to observe and think of a huge amount of time, it is to imagine the stone’s experience with the earth and several things which is much longer than human’s life. As a result, it is about to face me standing here on the same ground. I guess I am learning through the experience of curving a stone.

Uma Kinoshita

Ryuichi Yahagi

『地が紡ぐ』公文健太郎展 

Kentaro Kumon Exhibition

2019.01.15tue → 02.13wed

レセプション 01.15tue 18:00〜20:00

公文健太郎は1981年生まれ、兵庫県出身の写真家。これまでネパールをフィールドワークとして撮った作品集は6冊を数え、その土地で生活する人々を数多く写真に収めてきました。そして近年は活動を日本に移し、農業にフォーカスした作品『耕す人』を発表して新境地を拓きます。以来日本の土地に由来する暮らしや文化に眼差しを向けたドキュメンタリーを追いかけ、自身の写真がひとつのスタイルとなるまでに深化させています。 本展は、日本を巡る中でも特に惹きつけられたという土地・集落を訪ねるドキュメンタリー作品。青森県の能と神事を受け継ぐ地、栃木県の自然の恵み秘湯の地、そして長崎県の陶磁器の地を取り上げ、その土地に染み込んだ歴史と人々の営みをインスターレーションの要素を取り入れて、大型作品8点を含む46作品を展覧します。日本文化の一端を深味のあるグラデーションで包んだ公文の渾身作。どうぞご高覧ください。

公文健太郎『地が紡ぐ』あとがきより

僕は日本の農業に由来する暮らしや知恵をめぐる旅をしてきた。各地で引き継がれるそれらの文化は、「むかしからこうだからね」と言ってしまえばそれまでなのだが、本当にそれだけなのだろうか、とも思う。文化は密度の濃い繰り返しの中で凝縮され、人の言葉から土地の空気に染み込みその集落を満たす。空気を吸い、人は文化を受け継いでいく。 文字や言葉で明確に残されてきたものもたくさんあるが、その一方で多くの歴史は土地に染み込んで、形を変えながら土地によって紡がれ続いている。日本にはそんな場所がたくさんある。

青森県 下北郡東通村蒲野沢字鹿橋

栃木県 那須郡那須町湯本

長崎県 東彼杵郡波佐見町中尾郷

公文健太郎写真集『地が紡ぐ』冬青社 1月15日よりギャラリーにて先行発売 B5変型112頁 上製本 価格3,700円+税

 

公文健太郎(くもん・けんたろう) 1981年生まれ。写真家 。ルポルタージュ、ポートレートを中心に雑誌、書籍、広告で幅広く活動。同時に国内外で「人の営みがつくる風景」をテーマに作品を制作。近年は日本全国の農風景を撮影。2012年日本写真協会新人賞。

作品集

『耕す人』(平凡社)

『世界のともだち ー ネパール ー』(偕成社)

『ゴマの洋品店』 ネパール・バネパの街から(偕成社)

『だいすきなもの』ネパール・チャウコット村の子どもたち(偕成社)

『BANEPA』ネパール 邂逅の街 (青弓社)

『大地の花』ネパール 人々のくらしと祈り (東方出版)

 

展覧会

2017年7月 写真展「英さんのバラ」ピクトリコ ショップ&ギャラリー

2017年1月 写真展耕す人」アイデムフォトギャラリーシリウス

2016年11月-2017年3月 写真展「耕す人」Photo Gallery blue hole

2016年8月-10月 写真展「耕す人」キヤノンギャラリーS

2014年1月 写真展「FÓOTKAT」ハッセルブラッドジャパンギャラリー

2012年12月 写真展「March 2011, Rio de Janeiro」ブラジル大使館

2011年12月 グループ展「PORTRAIT」EMON PHOTO GALLERY

2011年 写真展「ゴマの洋品店」全国キヤノンギャラリー巡回

2011年1月 写真展「BANEPA」EMON PHOTO GALLERY

2010年11月 写真展「BANEPA」72GALLERY

2009年7月 写真展「グラフィッチ」EMON PHOTO GALLERY

2006年11月 写真展「大地の花」みなと町神戸メリケン画廊

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togo Bldg.,B1 5-11-12 Minamiazabu Minato-Ku

Tokyo 106-0047 JAPAN.

Tel.    +81/3/5793/5437

Monday - Friday : 11am - 7pm / Saturday : 11am - 6pm

Sunday, National holidays : Closed

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